ご質問のお答えをしばらく考えていましたら、カットの踏み方のバリエーションがあってもパスがもらえないのではいけないのではないか?という問いにたどり着きました。
ご質問のお答えにはなっておりませんが、パスがもらえるにはという方向でお伝えしたいと思います。
パスをもらうには?
1、自分(レシーバー)
2、スローワー
3、ディフェンス
4、スタック
のポイントがあります。
1、自分(レシーバー)
自分が走ることでパスが飛んできます。走らなくても飛んでくることもありますが、たいていは走りに対して飛んできます。
それでは、その”走る”ことについて考えてみましょう。
(1)タイミング
タイミングが一番難しいのですが、一番難しい問題を解いたのであればあとはゆったりとすすめることができるでしょう。タイミングは一言で言えば、”カン”と”修正”です。
”カン”に関しては、天性のものが100%なのでどうしようもありません。あきらめてください。
私が重視しているのは”修正”の方です。
多くのプレーヤーがタイミングで悩んでいるのをずっと不思議に思っていました。しかしある時、学生とツイートしている時に気付いたのです。
「自分のタイミングで走っているからもらえない」
投げる人のタイミングで走るのです。
(2)場所、方向
走ることは自由です。どこに走ってもその人の自由です。しかし、走った先がパスを投げる人の投げたくない場所だったり、そもそも届かない場所だったりすることがほとんです。だからいくら懸命に走ってもパスは飛んでこないのです。
投げる人が投げたい場所に走るのです。
2、スローワー
パスを投げる人のことをスローワーと呼びますが、パスを成功させる事柄について主導権を握っているのはスローワーです。スローワーが投げるか投げないかを瞬時に(あるいは試合前から)考え、行動に移していくのです。
「スローワーが投げたいタイミングで、
スローワーが投げたい場所に
投げてもいいかなって思える方向から、走る」
3、ディフェンス
オフェンスにはたいていの場合、ディフェンスが付いています。付いていない場合は相当の猛者か相当なめられている場合のどちらかでしょう。この両者の場合について議論する時間はないので、忘れましょう。
ディフェンスの立ち位置は、そのディフェンスの経験によって決められます。もちろんディフェンスの種類にも拠ってきますが、マンツーマンディフェンスですからその人の経験値で決まります。ですからそのディフェンスがどういう経験値の人なのかを見定める必要があります。つまり、次のポイントでディフェンスを探っていきます。
(1)どこが嫌なのか?
(2)どこを見ているのか?
(3)学習能力は高いか?
(1)どこが嫌なのか?
ディフェンスがどこが嫌なのかを知ることは大変重要なことです。奥が嫌いなのかミートが嫌いなのか、サイドアップが好きなのか嫌いなのか。ハンドラーに付くのが嫌いなのか好きなのか?
それらを瞬時に探ります。
(2)どこを見ているのか?
上手なディフェンスほどスローワーとレシーバー(あなた)の両方を見るように立ち位置を変えていくでしょう。両方見ないと不安なのです。不安なのであれば不安になるように自分の立ち位置を変えてみましょう。具体的にはディフェンスの背中側に走るようにするのです。そうすることでディフェンスはあなただけを見ることになり、不安が判断を鈍らせていき、試合の最後には最初の頃のアグレッシブさはなくなっているはずです。
(3)学習能力は高いか?
学習能力が高いプレーヤーは試合中、それも早い段階で選手やチームの特徴を把握し、適応させてきます。試合前の練習でも見破られてしまう場合もあります。もし自分に学習能力が高いプレーヤーが付いてしまった場合には、あなたは相手チームの評価が高いことの証明となります。持ち前のより高い学習能力をフル活用して動き回るか、諦めてスタックの一部と化すか、ご判断ください。
4、スタック
自分がいくら走ろうとも、人がいる場所に走ったのでは、パスは飛んで来ません。しかし、
「わかっちゃいるけど、やめられない」
そういう心境の人も多いはず。人がいない場所に走ることは難しいことなのです。それでは、どうするか?
「鬼ごっこ」だと思ってプレーする
「鬼ごっこ」は捕まらないように、人がいない場所に走ったり、あえて人がいる場所に隠れたりしますね。同じことをコート内でしてみましょう。アルティメットだと思うから難しいのです。「鬼ごっこ」だと勘違いして走ってください。きっとパスは飛んでくるはずです。
5、まとめ
カットの踏み方は角度や長さ、タイミングを変えれば千差万別になりますが、それよりも違った視点でアルティメットと取り組んでみてはいかがでしょうか?